スワヒリ亭こゆう

ビデオドローム 4K ディレクターズカット版のスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

1.9
カルト的な人気のある作品で有名ですが、今回が初観賞。
なるほどこういうストーリーなのねーと思いながら観てたんですが、少し僕とは相性が合わない映画でした。

ビデオドロームという女が拷問されている映像を観た事で狂っていく男を描いた作品です。
もしかすると『リング』ってこれが元ネタでアレンジしてホラーにしたのかなぁと思いましたね。

で、本作はホラー映画という程、恐怖を煽ってなくてスリラー程に緊張感もない。
じゃあ何が魅力的なのかなぁって考えると君の悪さとVHSを再生した時のノイズや画素の粗さが当時は気味悪かったんでしょうね。
なので4Kの高画質にして観る映画ではないんですよ。(僕が観た映画館は2Kでした)
VHSテープに何が映ってるか分からない緊張感があったんですよ。
ホラーとかじゃなくて普通にレンタルで借りてきたら、マナーとして巻き戻して返却するんです。
『パルプフィクション』借りてきて、めちゃくちゃ面白くて最高の気分で巻き戻しをしたら途中でテープが切れた時の音は忘れられないですね。
テープがビデオデッキに絡みついて取れなくなった恐怖は忘れられないです。
話が逸れました💦
本作はアナログを知ってるからこそ、伝わる恐怖なので現代人には到底伝わりにくいと思う映画です。

僕が本作で合わないと思ったのは恐怖が幻覚の中で表現されているからです。
幻覚っていう表現を映画でやると何でも有りになってしまうのが、僕は好きじゃない。
夢オチに凄く近い嫌悪感です。
幻覚と現実が区別がつかなくなる。観てる側も混乱してくる。それがやりたかったんだと思います。
僕は面白いと思えなかったですね。

ブラウン管から人らしき物が立体的に飛び出してくるシーンなんかは面白いと思うし、グロテスクな表現自体は嫌いじゃないんですけど、手前のストーリーで惹かれないと観ていてしんどいですね。