ピロシキ

夜明けのすべてのピロシキのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.7
いくらなんでも、良すぎやしないか。個人的にはK点超えの(『ケイコ』を超える)傑作だ。

中盤から我慢できなくなった隣のおねえさんがチラチラスマホを触り始めていたけど、なんならその眩しい光すら、オリオン座に見えたくらいである。慈しみなんていったらあまりに大袈裟だろうけど、他人を理解し、許し、そして寄り添うことに関する、ささやかなやさしさに包まれた2時間だった。そしてその「ささやかなやさしさ」を求めている人は、私を含め、私の周りにもきっと多く存在しているであろうことは疑う余地がない。つまり万人に勧めて回りたい。清彦ニイさんの涙には、順当にもらい泣き。男女の物語におけるお約束展開をヒラリヒラヒラかわしながら予想を上回る地点へふんわりと着地する、三宅唱まさにK点超えの匠技。

その他色々書き殴りたいけど、今日のところはこのぐらいにして寝る。とにかく久々に、上映が終わってもしばらくずっと座っていたいと思えるような作品に出会えた。暗闇からじんわりと光を取り戻す劇場に、「夜明けのすべて」を見たような気がしたからだ。
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