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マネーボーイズのLifewithmoviesのレビュー・感想・評価

マネーボーイズ(2021年製作の映画)
4.8
2023年4月15日@シネマート心斎橋
2021年カンヌ国際映画祭ある視点部門選出。台湾の金馬奨最優秀新人監督賞、最優秀主演男優賞にノミネートされた作品。監督は、中国出身だが、オーストリアに移住後ウィーン・フィムル・アカデミーで、ミヒャエル・ハネケ監督に師事した異色の経歴の持ち主。作品は、物語のなかでも、そして、スクリーンのこちら側でも、クーチェン・ドンに惹きこまれる作品。地方から都市部へ出てきたフェイは、シャオレイと恋人関係にありつつ、売春して生活している。タイトルが『マネーボーイズ』で「誰もが自分を売って生きている」というセリフが象徴するような物語。田舎で、性的マイノリティには、居場所がなく、しかし、都市と地方の格差の中で、都市部に出ても、低賃金長時間労働の仕事しかありつけないなか、男娼という道しか選択できない主人公たちは、何を売るのか。他方で、フェイがあまりにも魅力的で、惹きこまれていく。エモい(笑)劇中でみられるクーチェン・ドンのダンスシーンはアドリブだろうか。また、シャオレイ役のリン・ジェーシーと、ロン役のバイ・ウーハンの演技も、とても好印象。しかし、クーチェン・ドンが監督したい(大阪アジアン映画祭で初監督作品『黒の教育』が上映され、来るべき才能賞受賞)って言ったら、そりゃ、みんな手伝うだろ、って思うわけで(笑)
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