緩やかさ

もしかしたら私たちは別れたかもしれないの緩やかさのレビュー・感想・評価

3.7
邦題がなんとなく引っかかって鑑賞。
もしかしたら別れてないかも?どうなんだろう、みたいな機微を描いていく作品を想像したけど実際は全然違う。

冒頭から、まだ別れていないのが不思議なほどに罵り合いが続く。
ひとくちちょうだいと言ったラーメンをでっかいひとくちで全部食べられてマジ喧嘩。

公務員試験を受け続けて既に30代半ばになっている主人公のジュノが絵に描いたようなダメっぷり。
ニルヴァーナのTシャツを近所の中学生にダサいと言われ、次のシーンではメタリカのTシャツを着ている。
(でも後輩たちには愛されてるんだよなー)

終盤、アヨンのアトリエで二人が対峙するシーン、ジュノの首の寝違えが気づいたら治っているところなど、細かい機微が描きこまれていて巧いなと感じた。

コミカルに描いてはいるが、永く一緒に生きてきた30代の未婚の男女だもの、切り取った一つの場面にも立ち昇る悲哀にリアリティがある。


好きだったのはジュノのバイト先で出会った若者のアンナがグイグイくるシーン。
「私とつきあってみる? いや、つきあいましょ」(電話ガチャン)、って胸キュンだったなー笑
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