RYUYA

マエストロ:その音楽と愛とのRYUYAのレビュー・感想・評価

4.0
監督2作目でこれはエグい。すごい速度で映画撮んの上手くなってるし、かつ自分もまた主演してさらに演技の幅まで拡げてんの、エグい。『アリー/スタ誕』と同様に今作でも“プレイヤー”同士のビッグカップルの栄枯を描いているが、作風が静と動で対照的なのも驚き。ライブ感があった前作と、厳かで重厚な今作。描く音楽のジャンルにふさわしい撮影スタイルを的確に選んでいるのが見て取れる。ハングをオーバーさせまくってた真顔のチャラ男が、クリントイーストウッドみたいな監督になっていく。カッコよすぎ。あとキャリー・マリガン、ここ数年の作品選びが凄まじい。最高の組み合わせでした。

老年の特殊メイクと地肌の境界線が写っちゃってたり、前からのカットだと咥えタバコなのに後ろ姿に切り替わると手に持ってたりと、このクラスでもこんな編集ミスすんだ!っていう箇所はありましたが、冒頭のダイナミックな長回し、フルで見せる圧巻の演奏シーンや、モノクロ・カラー・画面サイズの使い分け、あと終盤にフォーカスされるキャリー・マリガンの身を呈した凄まじい演技...すごいシーンだらけでした。これ、映画館で観るやつだったわ。
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