健一

マエストロ:その音楽と愛との健一のレビュー・感想・評価

4.5
レナードの朝。




Netflix制作。 期間限定公開。

ブラッドリー・クーパーの監督2作目。
デビュー作「アリー/スター誕生」でいきなりアカデミー作品賞にノミネートされるなど演技だけではなく監督としての手腕も高いブラッドリー。
本作でもその才能を遺憾なく発揮。
ベン・アフレックやショーン・ペンなど俳優 兼 監督の『二足のわらじ』な人の中ではブラッドリー・クーパーが今のところ 飛び抜けて一番かもしれない。
それを証拠にプロデューサーに巨匠マーティン・スコセッシ、スティーブン・スピルバーグが名を貸しているのも彼の才能を見越してのことか。

レナード・バーンスタインと その妻フェリシアとの波乱に満ちた人生の物語。
才能、愛、嫉妬、克服。
それはまさに二人の人生であり 生きた証。

レナード・バーンスタインの日本での知名度が低いのが とにかく残念。😔
彼が生涯でどれだけの偉業を果たした人なのかを知っていたら本作の感動の深さは計り知れない。
(どうかバーンスタインのWikiを見て🙏)
やはり彼といえば「ウエストサイドストーリー」。
この作品を世に生み出しただけでも尊敬に値する。

バーンスタインのことを知らなくても『夫婦の人生の葛藤と愛の物語』として観ても本作は一級の出来。
感情の揺れ動き、見事なカメラワーク、モノクロとカラー映像のコンビネーション、自身の子供たちへの深き愛情、そして同性愛への葛藤。
終始全てのカットが『お見事』としか言いようがない。
特に終盤の指揮者として活躍したバーンスタインのオーケストラのシーンは圧巻!
映画史に残る名シーンになるのでは。

監督、主演そして脚本も担当したブラッドリー・クーパーは本作制作に6年もの歳月を費やしただけあり まさに『魂の一作』を見事完成させ 更に株を上げた。
来年早々に発表されるアカデミー賞のノミネートが今から楽しみだ。
恐らく複数部門でノミネートされるだろう。
妻を演じたキャリー・マリガンも素晴らしい。
才能ある夫への愛、嫉妬、生涯支え続けた『内助の功』を。そして自身も女優として輝いた才女を嫌味なく演じ分けるこの上手さ。
ブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガンのコンビネーションが全く飽きさせず作品を保っているのはさすがの名優たち。

背中合わせで野原に座り『数字当てゲーム』をしている二人がなんとも微笑ましい。

本作もストリーミング作品とはホントもったいない。
多くの方に映画館で鑑賞してほしい作品。


2023年 12月14日 10:00〜
シネ リーブル池袋screen 1
💺180席
客入り 50人弱?

すいません。
相変わらず体調が悪く、仕事が忙しいです。
コメント頂いてもお返しは週明けになるかもしれません。
どうかご了承ください。🙇
健一

健一