回想シーンでご飯3杯いける

バレリーナの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

バレリーナ(2023年製作の映画)
3.8
元警護員の若い女性とバレリーナの友情。殺人バイオレンスとしてのアクション性。日本の「べイビーわるきゅーれ」と似た部分があるからこそ、どうしても比較してしまうし、やはり韓国製作のこっちの方が圧勝という事になる。

美しいエレクトロ・サウンドとバレエを踊る女性の姿から始まるオープニング。コンビニのシーンで主人公が倒すのは、店員ではなくレジ強盗である。この流れだけで、本作に登場する女性の夢や生活、価値観が手に取るように分かる。

コンビニめしのシーンが多かった「べイビーわるきゅーれ」に対して、この「バレリーナ」はミントチョコのホールケーキがとても印象的に描かれる。実に映画的だし、美しくも儚い。

音と映像で釘付けになり、あっという間の90分。更にJung Kook、Tomorrow X Together、Enhypen等、既に海外で評価されているアーティストを含め、Kポップの旬な音が全編に渡って使用される。

ストーリー的に起伏のあるタイプではないが、根底にある悪い男 VS 女の友情という構図がはっきりと示されているので、先に挙げた映像表現にどっぷり浸る事が出来る。

仮に設定がマニアックであっても、観客を巻き込む手法はいくらでもある。いつもの事であるが、映画文化が成熟した韓国の作品から学ぶ事は多い。