殺しはピカイチ。暮らしはイマイチ。
阪元裕吾監督、脚本、髙石あかり、伊澤彩織主演によるアクション・コメディで、同監督の2021年作品『ベイビーわるきゅーれ』の続編。
主人公となる殺し屋コンビが、その地位を奪おうとするアルバイトの殺し屋コンビに狙われる姿を描く。
前作は鑑賞済み。
主人公となる殺し屋コンビちさととまひろを前作に引き続き、髙石と伊澤、二人を狙う殺し屋コンビゆうりとまことを丞威と濱田龍臣が演じているほか、前作からの引き続きとして水石亜飛夢、飛永翼が登場しているのに加え、ベテラン俳優渡辺哲や、先日観た『少女は卒業しない』で印象的な演技を見せていた中井友望が登場。
物語は、ちさととまひろの日常と、二人を狙うゆうりとまことの姿を中心に展開するのだが、そんな内容よりも、本作品の最大の面白さは、気を抜くとすぐにぶち込んでくるユルさ抜群の笑いと、その対極とも言えるキレ味抜群のアクション。
ユルい笑いばかりをひたすら繰り返されても、アカデミー賞作品である『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のように飽きるだけなのだが、本作品は、こちらがそろそろどうだ、と思うようなタイミングでアクションに切り替わることから、終始飽きることはないものの、そのタイミングは人によって違うはず。
私の場合、そのタイミングが、ほぼ想定どおりであったことから、適度に脳が覚醒した状態に陥ったため、波長が合うとはまさにこのことかと感じた次第。
会話のユルさや、笑いのあざとさはパワーアップ、アクションはスケールダウンしていたような印象であったので、本作品に何を期待するかで感想が変わってくると思われるし、前情報なしで観てしまうと面食らう可能性大。
また、前作や『オカムロさん』の時には何も思わなかったのだが、本作品では伊澤が何故か山田裕貴に似ていると感じてきたのはご愛嬌。
何はともあれ、前述のように、前作からパワーアップ、ダウンしている部分がそれぞれあれど、総じて前作よりも好みの作風となっており、コメディ、アクションどちらにも振り切れた唯一無二な存在と言える良作。
フィルマークス見よ。
