凛葉楓流

メイド・イン・USAの凛葉楓流のレビュー・感想・評価

メイド・イン・USA(1967年製作の映画)
3.4
思えば、ゴダールの映画って多声的な映画だと思う。冒頭のバスルームのシーン、部屋の外にいる男の声のようで、実は誰でも無い声がアンナ・カリーナに届く。アンナ・カリーナの声もモノローグのようで実は時間軸が入り乱れ、映像のその瞬間ではない過去もしくは未来から届いたもの。
終始、名前が伏せられるリシャール。現代思想が措定する、否定的に暗示されるもの(象徴界、無底……)のように思える。

けれど、やっぱり煙に巻かれてる感じが苦手。
くだらない犯罪映画を色んな手を使って常に撹乱していくゴダールは面白いけど、苦手だ。
凛葉楓流

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