どの浅野いにお原作の映像作品を観ても思うのだけど、彼の漫画って映画的な演出に満ち溢れているので、映画はそれを越えられないという矛盾がある。
とはいえ原作通りのカットばかりでは無いのは好感を持ったし、>>続きを読む
眠い......
ぼそぼそと話される西欧語。
言葉は浮遊する。音として、字幕にも表示されないような各国語。ドイツ語はもちろん、主要な人物の言語が英語、フランス語と三カ国語が理解できなければいけない。>>続きを読む
これが30年代の映画とは。「父ありき」よりもフィルムの状態は良いし、戦後の小津作品と並べても、かなり確立されている。
こんなにまでモダンな女性が描かれるとは思わなかった。当時はありえないレベルのギャ>>続きを読む
いかにもって感じの80年代の映画なんだけど、どうしても嫌いになれない。
原田美枝子が艶っぽいから?森田芳光が好きだから?まあ、そうと言えばそうなんだけど、手紙の構成とラストが巧みだと信じ込まされてしま>>続きを読む
日本兵がステロタイプなのは置いといても、やっぱり"文明"のイギリスに"野蛮"を持ち込んできたのは、紛れもなく日本だったのだなぁという、やはり近隣諸国は、その歴史を忘れてはいないのだと突きつけられる。>>続きを読む
ゴダールですよね。タイトルの赤青フォントはもちろんのこと、音楽のシークエンスを無視したぶつ切りが、めちゃくちゃゴダール。この時点で、この映画は構造を書き出して、分析して、メタファーを読み解き、分かった>>続きを読む
吸血鬼なのに、噛まれた人間が吸血鬼になり、十字架と聖水でやっつけるというものではない。
完全に疫病のメタファーとして(こんな分かりやすいメタファーがあってたまるか、という感じだが)描かれている。
男>>続きを読む
SEED未視聴。先輩に誘われ、主要メンバーの名前と顔だけ覚えて、設定は一つも知らずに見ました。
途中で、「あ、コレは2時間少々の映画の構成にしては勝てないな」なんて思って、二部作とか三部作構成なのかと>>続きを読む
俺たちの戦いはこれからだ!ってそのまま言うのね。本当に笑っちゃった。
霊界ミミズが「イレイザーヘッド」みたいで気色悪かったです。
第二部、要るか?とは思ってしまう。唐突な殺戮や"先進国"の平和ボケと無関心をぶち壊すにはいいのかもしれないけれど。
アナの元にフランス語でマケドニアからの電話が来る。「アレクサンドルはいますか?」「>>続きを読む
どんなホラー映像作品を観ても思うのは、主観と客観のどちらかの怖さしか一つの作品では完結できないこと。POVの臨場感も良いけれど、怪異そのものが出現すると慣れてしまう。一方で、悍ましいナニカが"映ってし>>続きを読む
とんでもないものを見てしまった。
ネカフェ難民、派遣バイト、無差別殺人……こう挙げてみると、どうしてもステロタイプなロスジェネのワープアの鬱屈とした映画にしか見えないのだけれど、やっぱり江野が魅力的す>>続きを読む
オープニングとラストがあまりに完璧。
全体として画面がかなり暗い。主人公が寝る場面なんて、よく顔の輪郭がつぶれずに映せていることに感心する。そして狭いアパートメントが常に画面を圧迫してくる。鑑別所の>>続きを読む
うーん、やっぱりテンポが悪い。屋内の引きの画が多すぎる。しかも寄らずにそのまま会話しまくるし、かと思えば急にクサいズームアップを多用するので、どこか散漫な印象を受ける。
日韓併合の経緯や弾圧・虐殺は、>>続きを読む
裕次郎映画、これまで散々観てきたが、なかなか良い部類では?
それにしても、ジャニーズパートはいらなすぎるな(ボクシング舞踊のシーンは『勝利者』の北原三枝のクソバレエよりは上手かったが)。
日本が東南>>続きを読む
長回しなのに、あざとさがない。ショットの最初と最後に映すべきものがきちんと設定されているからだ。
性の艶かしさも、暴力の渇きも、ほとんどない。冒頭のラブホテルのシーンも、どうも暴力性が剥き出しにはなっ>>続きを読む
ナチスは”ユダヤ人”とそれ以外の区別を血縁的なルーツ以外にも、身体的特徴、精神異常、性的倒錯にも求めた。つまり”ユダヤ人”性は恣意的なものであることを逆説的に明らかにしてしまった。
サラのユダヤ人であ>>続きを読む
お手本のようなスラップスティック・コメディ。機械化される労働者を描いていて面白い。彼っていつも労働者なのに、絶対にボロの三つ揃えを着てるのが笑えちゃう。
エレベーターのところ、劇場でどよめきと笑いが交>>続きを読む
本当に変な映画だ。これが歴史を変えた世紀の傑作とされているのがよく分からない、というのが正直な感想だ。
だってヒンメルがあまりに人間すぎるんだもの。地球儀の風船を抱いてダンスをする彼は、どう見ても機械>>続きを読む
中年になっても色恋なんて馬鹿げたものに葛っている連中が面白い。まあ典型的なウディ・アレンの映画といえばそれまでなんだけど。
三姉妹がレストランでテーブルを囲む場面、カメラの回し方がめちゃくちゃシリア>>続きを読む
普通、ジジイの映画って家族やかつての友人から冷たくあしらわれて、その老人の権威が揺らいで、彼のさもしい孤独な姿が明らかになっていく様を描くものなのだけれど、この主人公に対しては周囲が優しすぎる。まるで>>続きを読む
いつもの裕次郎映画のメンツ。
それにしても酷い演技ばかり。コメディだと割り切っても、やっぱり権威に対する批判精神が欠けている。社長になることが「天下を取る」ことだった時代はあまりに遠い。
北原三枝が>>続きを読む
思えば、ゴダールの映画って多声的な映画だと思う。冒頭のバスルームのシーン、部屋の外にいる男の声のようで、実は誰でも無い声がアンナ・カリーナに届く。アンナ・カリーナの声もモノローグのようで実は時間軸が入>>続きを読む
ふざけんなよ、ゴダール嫌いです。
20分くらいしかないのに、最後のアルジェが〜、テルアビブが〜というあたりの5分くらいは寝てたと思う。
始まった当初は、音楽もいつものブツ切りリミックス感があって、緊>>続きを読む
ドルビーシネマで鑑賞。まあ長いが普通に面白かった。
冗長で、負けっぱなしで、余計な回想シーンが多かった前作に比べると、グループに認められ、仲間を作り、恋をして、敵を倒すという展開なので、物語に身を委>>続きを読む
思い出話というのは、素晴らしい。映画って思い出話を素敵に語る上では最高の媒体なんじゃないだろうか。
複数の入れ子構造にはなっているものの、ここ近年のウェス作品のように複雑ではないので、分かりやすい。>>続きを読む
昭和の男っていいなぁ(なんて、最悪な感想を言いたくなるくらいに、佐野周二がイラつく)。そして、それ以上に、原節子が『めし』のときよりもめんどくさい。一緒に映画に行きたくないとかゴネてるの、慎み深いとか>>続きを読む
最高の会話劇。ワンカットがかなり長いのに喋ってる文章量がえげつない。
本当に阿漕な新聞記者たちが人間らしくて良い。いろんな要素(保険、銃、ギャング)がラストに向かってどう転がっていくのかに目が離せな>>続きを読む
アツすぎる。男同士の友情を全面に出して、女は忘却され、ラストは大爆発、全てが終わる。完全にニューシネマの文法に則って作られている。
メキシコの革命、よく分かってない部分が多いのだけど、更によく分かっ>>続きを読む
こういう前衛崩れみたいな、エログロナンセンスの世界、あんまり得意じゃないんです。溝口正史、夢野久作、丸尾末広、ガロ系に括れる全てが。
確かにガジェットというか美術や謎の演出なんかはそういう世界なんだ>>続きを読む
冒頭のひまわりから、変な感覚がついてくる。サブリミナル的に挿入される、他の角度からのショット。
絵画ようなピクニックの様子から、この映画が寓話的な話なのだとわかる。なんともフランス的な原色バチバチの>>続きを読む
山本周五郎原作なので、期待して観たら、やっぱり正解。
砂煙の中の宿場町、地面に落ちる片腕、辺りをうろつく(犬じゃなく)猫、血気盛んで愚かな若侍たち。ほぼ『用心棒』『椿三十郎』なのがウケる。テンポ感だけ>>続きを読む
ホントに馬鹿すぎる。これって笑っていいのか分からないほどの、馬鹿なんだけど、全く悲しくならないのが、コメディアンの技量なんだろうな。
お色気って女の子を人間として見ないことから始まるんだなぁ。
元大蔵省の官僚が「インテリは違ぇや。俺バカだからな」って何のお笑いですか?
箸にも棒にもかからないチンピラを三島由紀夫をやらせてるのがまず失敗で、石原裕次郎のチンピラの似合わなさよりも似合ってない。大>>続きを読む