波紋のけんけん３号のネタバレレビュー・内容・結末

主演の筒井真理子の圧巻の演技。これに尽きる作品。全編筒井真理子の浮かない顔とイライラと苦悩だから楽しい作品ではない。放射能、老人介護、新興宗教、障害者差別などの現代社会の問題もてんこ盛りで、しかも善人がほぼ登場しないし、何も解決しないので、イマイチすっきりしない。誰もが抱えている心の闇、自身の尺がで決めている人間の上下を色々なことに絡めているのは上手いと思った。日々の暮らしで、人間のちょっとした心の淀みが波紋になり、広がって、さらに、人間が淀んでいくんだろうね。どこにでもありそうな小さな悪意が負の連鎖になるいやらしさが嫌だったな。手拍子みたいな音に違和感を感じていたが、ラストのフラメンコの伏線だったのね。これで依子が吹っ切れるのを表現するのにはビックリかな。不快な感じな映画だが、何故か引き込まれるから不思議。