がちゅん

すべての夜を思いだすのがちゅんのレビュー・感想・評価

すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)
4.1
SNSありきの生活が、思春期から当たり前になっている世代の私ですが、今の世の中に対して、関わり合うということの身体的実感を伴わない、宙ぶらりんな感覚を抱いています。

人と人の心地のいい距離感というものに万国共通の定石はないと言えるでしょうが、この映画が映した多摩ニュータウンという街は、明らかに自分の行動が誰かに見られる環境にあるにも関わらず、なぜか嫌な感じがしない(セリフにもあったように)。現代で軽薄になりつつある、リアルな居場所的居心地の良さというものを見せてもらった気がします。このリアルな空間での居心地の良さというものについて、もっと敏感になり深く考えていかなければいけないな、とも思ったり。