このレビューはネタバレを含みます
余韻を噛み締めたくなる良い映画。
『藪の中』方式、『スリービルボード』的というか、1つの出来事も、いくつかの視点からだとまったく違って見えてくる、人間関係のやるせなさ。
安藤サクラが願っていた「普通でいい」という言葉が、視点が変わると残酷なものになるし、高畑充希の言う「肩の力を抜いていい」という助言も、TPOを弁えないと「怪物」のような言動になる。観終わってみると、前半あんなに思いを寄せてた安藤サクラの印象がガラッと変わる不思議。
登場人物達の中には、中村獅童や湊の隣の席の女子、校長など、「この人からの視点も覗きたい」と思える者も沢山いた。
(記憶曖昧だけど)「親だからそういうの言えないよ」「親って気遣うじゃん」みたいなめちゃくちゃ子供の時に思ったことを台詞にされていて、子供の捉え方や表現が一面的じゃないように感じた。