滝井椎野

ゴジラ-1.0の滝井椎野のネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

こんなゴジラがみたかった!
シン・ゴジラともモンスター・ヴァースシリーズとも違った、生物としてとてつもなく恐ろしいゴジラ。時代背景も相まって絶望感はかつて無いほどのものだったと思う。
海で追われるシーンなんかは人の身ではどうにもならない圧倒的恐ろしさに、個人的には白目ゴジラすら超えたのではないか……とさえ思った。

個人的に感動したのはやはり熱線。
ゴジラ映画の一番の見所はやはりここで、シン・ゴジラのときも興奮のあまり思わず叫びそうになったものだが、今回も凄かった……。
背ビレがカウントダウンスイッチのように隆起していくさまで息を呑み、熱線を放ったシーンは立ち上がりそうになった。
ゴジラを好きでいて良かった……心からそう思った瞬間であった。

街が蹂躙される様はとてつもない迫力で、ゴジラのテーマに不謹慎ながら心が踊る。あそこまで直接的に人が死んでいくのは歴代でも珍しいのではないだろうか。
壊れる建物に逃げ惑う人々、ゴジラ好きからすれば毎度の楽しみであり、初代でもお馴染み報道陣の決死のリポートにニヤリとしながら、その後の神木隆之介の叫びに心が震えた。
それにしても、黒い雨が降る場面はなかなか胸に来るものがあった。

今回の対ゴジラ作戦もなかなか面白く、海に引きずり込まれるゴジラは流石に気の毒に感じた。
この、やったか……! いや、駄目か……。の流れが実に面白い。そして最後に神木隆之介の特攻でゴジラを打ち倒す展開が胸熱で実に良い。

近年は傑作ぞろいのゴジラ映画。初め、監督を聞いたときには少し心配になってしまったものだが、蓋を開けてみれば杞憂どころではなかった。
新たなゴジラ映画の傑作に拍手を送りたい。
そろそろ、モンスタープロレス時代のようなゴジラをみて、うんうん……これもゴジラだよな〜などと言いたい気もするが、ひとまずは今後もゴジラ映画の大躍進を期待しようと思う。
滝井椎野

滝井椎野