いろどり

右肩の天使のいろどりのレビュー・感想・評価

右肩の天使(2002年製作の映画)
3.8
右肩には善行の天使が、左肩には悪行の天使がついていて、死ぬときに秤にかけられて天国に行くか、地獄に行くか決まるらしい。これってなんだかエジプト神話の死者の書に似ていて、大陸の関連性を感じる。(死者の書には、来世の幸せは冥界神アヌビスの正義の秤にかけられて決まる、と書かれているらしい。)

タジキスタンはイスラム教だけど土着の言い伝えが混ざりあうところに魅力を感じてしまう。
交渉のときに手をにぎりブンブン振って、指切りげんまん指切った、のように交渉が成立したら切るという文化がとても面白かった。


監督の母、兄、甥っ子がメインキャストという低予算映画。ソ連崩壊、内戦の影響で国の発展が遅れ、公開当時のタジキスタンには俳優がいなかったらしい。

お母さんのいかにも庶民らしい演技が可愛らしい。主演の男性は細身の筋肉質で、任侠映画に出られそうな強面だった。村一番の無法者と家族の、ちょっと不思議なお話。初のタジキスタン映画。民族の文化や貧しい村の暮らしに触れられて、素朴な雰囲気を感じられる良い作品だった。
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