よう

M3GAN/ミーガンのようのレビュー・感想・評価

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
3.5
『チャイルド・プレイ』型の、人形ホラー。


まず大前提として、めっちゃ面白くは観た。
ミーガンが暴れる様はコワ楽しいし、「どうやって撮影したんだろう」と興味持ちながら観られるしで、ずっと前のめり鑑賞ではあった。
ただ、ツッコミどころもあるし、言いたいこともあるんだよなあ。


とにかく、ミーガン。
アニマトロニクスの部分と、実際に人が演じてる部分もあるらしく、そのロボットらしさと生身の人間感とのメリハリがホラーとして効いてはいる。

一仕事やってからきっちり見えを切ったりしてんのよ。「どや」って感じで。自分にはそう見えた。
そこがもうただのロボットじゃねえなっていう。
あと、予告にもあったけど、「これからやっちいまーす」ってな感じでダンスもしちゃう。ノリノリだけにクレイジーさが引き立つ。

学習して進化するAIだけに地頭がいいってのがあって同じ手は通じない描写もあるし、声が変えられるってのがまたずるい。

いろいろ手強いもんだから、勝てる気がしない感がちゃんと出てる。


見るからに動かなそうな人形またはぬいぐるみが「動いた!」「喋った!」という恐怖ではなく、初めから動けて喋れる存在のミーガン。
つまり恐怖としてはハンデがある。

そこを見た目は小さい女の子の人形にしたことや、ケイディという人間の女の子との結びつきが強くなりすぎてしまうことで、恐怖をもたらしてるのは新鮮に感じた。


ただ、気になる点もいくつか。

ミーガンの通常のあの顔そのものがすでにかすかに不気味にも見えるってのはある。リアルだからこそ人間と違うように見えるぶん不気味ってバランス。
映画としてそこはあえてこのバランスなのはまだわかる。

「なんであんな怪力なんすか?」というのが引っかかる。
そう作ったってこと?
だとしたら、何のために?
頑丈に作っただけならわかるんだけど。

あと、家の電気をチカチカさせたり、会社の火災報知システムを止めたりしてたけど、それが出来るなら最後の相手も操作できる気がした。
どうなんだろ。
そこらへんの解像度高い人からすれば「いや、あれは構造上いじれないんすよ」ってのがあんのかなあ。

以上2点のことは、ミーガンがどこまでのことができる存在なのかのラインが曖昧に思えた部分。
で、そこは最後の対決を見る上でのハラハラともつながることだから、気になった。


最後の対決について、「おっ、それ使うのはいい!」と思えたところと、「映画であんまそれやってほしくないんだよなあ」というのもあって、少しモヤモヤ。
そこについてはコメント欄で。

幼い子どもにとってのイマジナリーフレンドの功罪と、「悲しい時は悲しんでいい」という台詞はよかった。
『インサイド・ヘッド』のまんまだけどね。
それであの人物が自ら断ち切るという終わり方はきれいではある。
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