ゆめちん

NOCEBO/ノセボのゆめちんのレビュー・感想・評価

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)
4.0
NOCEBO/ノセボ
 
エヴァ・グリーン目当てで鑑賞。ロルカン・フィネガン監督の前作 "ビバリウム" 同様不気味で得体のしれない恐怖を描くが、前作に比べるとかなり分かりやすい物語だった。
 
ファッションデザイナーのクリスティーンは、夫や娘と共に幸せに暮らしていた。そんなある日、彼女は仕事中に奇妙な幻影に襲われ、さらに数か月後に原因不明の体調不良に悩まされる。そんな彼女の元にフィリピン人家政婦のダイアナが現れる。
 
社会問題をサスペンスホラーに落とし込んだ1本。タイトルの "NOCEBO" は、"病気だと思い込んだ人が本当に病気になる" 精神的疾患のこと。
 
アイルランドとフィリピンという一見共通点がなさそうだが、その交わる部分に本作の核心がある。97分と上映時間は短いが、とにかく異様な空気が張り詰める時間が最後まで続くので、観終わるとグッタリ。
 
最初は被害者に見えるクリスティーンだが、様々なことが露わになるにつれ印象が変わってくるのが面白く、救いのない結末もどこか納得するし、冒頭のシーンが最後きれいに回収されるので意外にも後味は悪くない。ただラストのダイアナの行動は予想外で衝撃的だった。
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