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猿の惑星/キングダムのKUBOのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.8
今日の試写会は『猿の惑星 キングダム』ジャパンプレミア!

シーザー三部作から7年。オリジナルから数えて3度目の新シリーズがスタート。

まずびっくりするのが、俳優の演技を表情まで完璧に「猿」に置き換えているVFX! 作品毎に進歩してきたが、ここに来て極まった感じ。本当に「猿」が演技しているのだ。オリジナルの特殊メイクも当時は話題になったものだが、本作のVFXと比べれば隔世の感は否めない。

オリジナル第一作でチャールトン・ヘストンが降り立った猿の惑星では、人間は原始人のような格好をして言葉を喋れなかったが、本作の世界ではそれ以来となる「人間は言葉を話すことができない」存在に退化している。

本作の主人公ノアはチンパンジーの一族で、なんと鷹を使う「鷹匠」のようなイーグル族の若きリーダー。

凶悪な帝国のゴリラ兵士に父母を殺され故郷の村を焼かれたノアは、旅の途中で知り合ったオランウータンのラカや人間のノヴァと共に独裁者プロキシマスに挑むのだが…

シーザー三部作では、地球がなぜ『猿の惑星』になってしまったかというオリジナルの前日譚を描き、本作はその300年後の世界。おそらくオリジナルシリーズとの間を繋ぐシリーズになるのではないだろうか?

どこかでAI画像を使ってでも、あの若きチャールトン・ヘストンが出てきたら大感動なんだけどな。どうでしょう、ウェス・ポール監督!

新シリーズ第1作目として、本作だけでも大スペクタクルを見せてくれるのだが、ラストを迎えても、人間と猿がどのような未来を迎えるのか、謎多き終わり方になっている。

特に「猿は猿を殺さない」という「シーザーの教え」を破り、従わない猿を虐殺してしまうプロキシマスらキングダムの兵士たちは「人間的」な攻撃性を備えてしまったとも取れるし、

そのプロキシマスは「忌まわしい存在」として「人間」を根絶やしにしようとするが、結果的には人間が大量な「死」を呼んでしまうのは皮肉なのか?

シーザー三部作でも裏テーマであった「異民族同士は分かり合えるのか」という問題に本シリーズはどう向き合っていくのか?

『メイズ・ランナー』の監督さんだけに、この先一抹の不安もあるが、舞台挨拶でめっちゃ楽しい良い奴だったから期待していよう。
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