昔はこんな不条理映画も楽しく見てられる感覚があったんだなぁと思うと今の映画に不条理がまったくないことに寂しさを感じる。
「伏線を回収」
というチープな言葉に置きかわれつまらなくなった。
この頃の詩的なセリフなど今のフランス映画の脚本には殆どない。今のフランス映画の流れは、ほとんど芸能界にはびこるユダヤの自虐か、格差だとかそればかり。こういう不条理感にあこがれていたフランスを思い出した。今の現代フランス映画はもっと俗物的で社会を反映しすぎてる。こういう霞を食うようなテーマの映画が大衆向きだった頃をおもいだした。
真剣な顔で言う不条理セリフに笑っていいのか、怒っていいのか、彼らに同情すべきなのか、観客を試す。
変わらないパリのメトロ。きれいだった頃のパリ。タイプライター打ってる秘書、ミニテルがおいてある机。
不条理庶民映画というべきか。Elleのイザベル・ユペールに通じる不条理。まぁこの映画のテーマは女性の美でなかなかひとつひとつのセリフも空虚ながらおもしろい。30年ぶりにみて、女を30年以上やっててやっぱりおもしろい。
女性の美とは・・・を当時のシャネルのトップモデルが演じてるだけでもすごい。(ブーケさん演技上手いね)一生つきまとう、女性だったら美しく有りたい、あの人より私はイケてる。イケてない。。という病。それにしても美醜のテーマはいまはポリコレでかなりご法度になっているが、あるいみおおらかだった時代だったんだと。。