ディズニースタジオ100周年記念作品ということで、どうにも最大公約数的な印象を受けた。ディズニーファン以外は厳しいのでは。
ただこれは、まさしくディズニーファンに向けて、その他大勢を切り捨てる覚悟で作られた作品のようにも思えた。
メタ的に見ると、人々の「願い」を預かり、"安心安全な"国家を築いたマグニフィコは、ディズニーそのものとも言える。
ディズニーリゾートなんて、まじでロサスだよね。みんな自分の理想や野望は1日どこかに置いておいて、ディズニーが魅せる夢に浸れる安心安全な王国がディズニーランド。
そうした夢を預かる立場として、決して傲慢になってはいけない、マグニフィコはそうしたディズニーの反面教師的内省が反映されたキャラであるように思えた。
同時に、特にディズニーファンに向けた、「我々は一時の夢は見せられるけど、本当の願いはあなたが叶えるのだよ」という、念押しのようなメッセージもあるのだと思う。
とはいえ、全体的にやや退屈で、やっぱりアニバーサリーってどうしても堅苦しくなるものだなぁと。クリス・バックの過去作であるアナ雪みたいな切れ味は感じられず。
