見事なまでのブラック・コメディ。
映画のストーリーとしては、極めてシンプルなのに、恐ろしいほどのブラックジョークを絶え間なく織り混ぜてくるので、観ていて飽きなかった。
パッと見すると、人肉食のカニバリズムが目立つように感じるけど、この映画の見所はそこだけじゃない。
過激派ヴィーガン、金の話しか出来ない女、ナチュラルに黒人を蔑む差別主義者、実在した連続殺人鬼たち、プーさんとピグレットに、神戸牛まで話題に出てくる。
さらには、しれっとナチスやヒトラーの話も出てくるので、映画として、見た目以上に毒が強い。
グロ描写が大したことはないのにR１８なのは、この辺りのセンシティブなブラックジョークをガンガン入れてくるのも影響してそう🤔
ヴィーガンを人としてではなく、食料としてしか見れなくなった奥さんとか、子どもを観て美味しそうだと思ってしまった自分に恐怖する夫とか、ホラー映画にもっていける要素はいくらでもあるのに、コメディの範囲から決して出さないという作り手のこだわりが感じられる良作。
監督はヴィーガンに恨みでもあるのかな笑
個人的に、ヴィレッジピープルの『マッチョマン』はすごく好きな曲。
この曲に合わせてヴィーガン狩りがやたらテンポの良いダイジェストで行われたときは笑うしかなかった。
