3月2本目の試写会は『ストレージマン』特別マスコミ試写会。
今日の試写会では萬野達郎監督の前作の短編『Motherhood』と新作の『ストレージマン』との併映という形で行われたが、この監督は切り口がいい! その時その時の社会問題がホラーに、スリラーに、コメディにと形を変え、鋭い問題提起となる。
本作では、コロナ禍での派遣切りから社宅を追い出され、妻や娘にも見限られた男モリシタがトランクルームに住み始めるところから始まる。
実際に多くの日本人が経験したコロナ禍での苦しい暮らし。その最悪の状況の中で、トランクルームに突然現れる渡部直也に大笑い! この人『宮田バスターズ』で大ブレイクだけど、本作でも大活躍。あら?コメディなの?と思ったのも束の間、39分の中編である本作は目まぐるしくジャンルの壁を越えていく。
モリシタの妻とトランクルームの住人ユミコという真逆のキャラを一人二役で演じた瀬戸かほが魅力的。
モリシタを演じた主演の連下浩隆の、ヘタレの部分も、足掻き続ける葛藤も、曝け出すような熱演が素晴らしい。
絶望の淵に追い詰められたモリシタに明日はあるのか?
「貧困や格差社会で苦しむ人々の心に、少しでも希望の火を灯せれば」by 萬野監督。
『ストレージマン』は5月20日(土)より池袋シネマロサほか全国順次公開です。
*渡辺裕之さんはこれが最後の遺作になるのかな? そういう意味でも必見の作品です。