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バルド、偽りの記録と一握りの真実のkekqのレビュー・感想・評価

3.9
いかにも中年らしい、しみったれた不安や憤懣を圧倒的な映像表現で堪能する174分。

「バードマン」からエンターテイメント性を捨て去り、メキシコと身内と自分自身に矛先を向けた無数のメッセージをかなり直情的に投げつけてくる映画。
もともと妥協のできない監督のため「こんなことまで知らんでいいよ」と思われることも臆面もなくストーリーに載せ、リアルと創作の境界も時間軸もオマージュもぐちゃぐちゃにした複雑怪奇な演出もかなりこちらを消耗させる。

いろんなしがらみから解放されるNetflixならではの映画という印象。
それでも見終わったあと家族と自分の人生を大切にしたいと心から思えたし、過去作をすべて見返したくなるほどアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥさんのことが改めて好きになってしまった。
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