回想シーンでご飯3杯いける

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.3
この半年後に公開される事になるヨーロッパ企画プロデュース作「リバー、流れないでよ」を先に観てしまったので、新鮮味は弱くなってしまうけど、こっちを先に観た人にとってはインパクトが大きかった事が想像できる。

広告代理店の小さなオフィスで、家に帰らずに徹夜作業を続ける社員達が「これってもしかしてタイムループでは?」と疑い始めるというストーリー。ブラック企業の延々と続く激務とタイムループという異色の組み合わせは、確かにこれまでになかったアイデアだし、1週間という短いスパンでシーンが繰り返されるので、話のテンポも良い。ループから抜け出すために、図らずしも社員がスキルアップしていく様子も可笑しい。

ただ、このように現実的な舞台と状況を選んだのであれば、ほっこり風味で決着を付けるのではなく、もっと辛口な結末にして欲しかった。社畜を自虐的な笑いにする風潮って、僕は全然笑えない。

今までヨーロッパ企画に関西を感じた事はあまり無かったんだけど、本作の一歩引いたような緩さと比較した時に、「リバー、~」や「ドロステのはてで僕ら」で見られる、ツッコミやオタク的なノリで加速させる構成って、実は凄く関西的だったのだと、逆説的に気付いた次第。僕はそっちの方が好きだ。