日本では、わずか2週間で「ジョン・ウィック」と「イコライザー」両方の完結編(?)を観られる事になった! 脳筋アクションはあまり好きじゃないけど、「ジョン・ウィック」には見せ方の面白さがあって、「イコライザー」には知性と文学的な台詞回しがある。やはり、「頭空っぽ」より、自分の経験値や想像力をフル回転させて観る映画が、僕は好きなのだ。
今回の舞台は、イタリアにある海沿いの小さな町。傷を負った主人公ロバート・マッコールを優しく迎え入れ、詳しい事情に触れずとも、信頼関係を深め合っていく様子がさり気なく描かれる前半が何とも良い味わい。
前半の描写があるからこそ、細やかに暮らす住民を脅かすマフィアの存在や、それに対峙するマッコールの姿が、後半のドラマで大きな意味を持つ。
カトリック系のイベントとバイオレンス・シーンが交錯する構成は、キワキワの描写だと思うが、「イコライザー」ならではの上質な脚本によって、ダークな美しさとして昇華される。心に残る名台詞も多数。