るい

東京の宿のるいのレビュー・感想・評価

東京の宿(1935年製作の映画)
3.8
さて、小津監督の喜八シリーズもこれが最後
3作目でございます
妻と別れて、職も失い、二人の息子を連れて職を探して彷徨い歩く男、喜八
とにかく前2作と比べて、最初から、もの悲しすぎる🥲
しかも今回は倍賞さんと寺田さんのいつもの語りがない、完全なるサイレント、
活弁士的な語りなしで作品に挑むのは初
一応字幕的なのは出るから、どんな話かというのは分かるし
やはり演技が上手いので登場人物は今どういう気持ちなのかっていうのも自然にわかるのがまずビックリした
普通にハードル高ぇむずいだろうと思ってたけど
意外にいけるもんだな🤔
話を戻して
工業地帯に来るも雇ってくれる場所もなく、門前払いの連続で
息子と絶望に暮れる
息子に気を遣わす描写がマジで辛いわ😣
食わせてやるもんがなくただ途方に暮れて、セリフがないから悲しい音楽だけが無残に流れるって、しかも「明日は大丈夫だって」と励ましてくれる、できた息子よ
さらにエアお酌で宴会ごっこを始めるという、悲しくも微笑ましいやりとり
正直前半はどういう感情で観ればいいのか、かなり混乱する
そんな時、君ちゃんという娘を連れた喜八と同じ様な境遇にある、「おたか」という女性と知り合う、2人共「子供」という存在があるから今の今まで頑張ってこれたという会話が凄い素晴らしいなと思った
で飯か宿かで、飯にしてしまった夜、よりによって食事中に雨が降り、野宿が困難な状況の中、雨宿りで立ち往生していると昔馴染みの「おつね」に出会いさっき食事したのが彼女の店だった、親切にも、泊めてくれたうえに喜八の境遇を知り、工場の職と借家まで探してくれた「おつね」、そこでの暮らしが始まり
めでたし、めでたしな雰囲気だが、ひとつ
そう「おたか」
再会して早々、親子に飯をご馳走する、そうこの時点で喜八は「おたか」に惚れてるんだろうと読める
一転してこの後半の展開は子供達のやり取りと良い微笑ましく、音楽も楽しげなものに変わってる
そんな時も束の間
君ちゃんが病気にかかると親子は迷惑がかかると出て行ってしまっていた
居なくなったことを知った喜八はやけ酒をあおっていると酌婦(要は売春婦的なもの)になった「おたか」が戻って来る
喜八は叱ったのち訳を聞き
君ちゃんの為に入院費が欲しかったと、一回くらいは親らしいことをしたかったと涙ながらに訳を言い、それを知ると、何かを覚悟したのか、喜八は金を盗み、それを息子に「おたか」の元に届けてくれねぇかと頼む
そして喜八は「おつね」に訳を話し2人の子を託して警察に行くのだった
このラストが悲しくて悲しくて、マジで泣きそうになるんだわ、何この救いようのないような終わり
まぁこれも喜八らしいっちゃ、喜八らしい終わり方だけど、
なんかスッキリしない完走でしたな🥲
それにしても3作観て、喜八は基本変わらないキャラだったなっていうのがまず
そして子供も共通して印象的だったなという
こういう共通点を見つけるのも面白いね
やっぱり
るい

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