Hiroki

七人の秘書 THE MOVIEのHirokiのレビュー・感想・評価

七人の秘書 THE MOVIE(2022年製作の映画)
3.2
ドラマは観てたけどさすがに映画館に観に行く気になれず配信されたのでやっと観た。
この手の連ドラ→映画化パターンは日本では常態化してるが、95%が映画というよりテレビSPを無理やり映画館で流しているという印象の作品が多い。
ただ2023の邦画(アニメ除く)TOP5に『TOKYO MER』(44.8億円)、『ミステリという勿れ』(44.4億円)と2つランクインしているので方向としては間違っていない。
その一方で『ネメシス』(6.1億円)、『ゆとりですがなにか』(4.5億円)と爆死してる作品も多いのもたしか。
ちなみに今作も6.6億円と爆死してます。

そもそもこのシリーズ『ドクターX』の中園ミホ脚本で「組織やしきたりに捉われない主人公が圧倒的悪者を成敗してめでたしめでたし」という勧善懲悪の現代版水戸黄門。
こーいう話って家で特に何も考えずに観てるのが楽しいじゃないですか。
それを「よしいくぞ」って映画館まで出掛けて2,000円払って2時間集中して観たい人がどれほどいるのか疑問しかない。

一応新潟が舞台で美しい雪景色と火事のシーンなどの仕掛け、スノーモービルなどのアクションはある。
ただ美しい雪景色のロケーションは良いとしても、そこと絶妙に絡みそうで絡まない地下水源というオチ、謎の火事への執着、申し訳程度のしょぼいアクションと全てが中途半端。
いやそーいうのが狙いの物語じゃないのはわかる。
でも全ての要素が「映画でやるんだからこーいうのもないとダメだよな」という前提で組み立てられていて、順序が逆に思えてならない。
そしてちょっとしたサプライズのオチもすぐに読めて大したモノではないので、必要性が全く感じられなかった。
それよりみんなが求めていた事って鶴瓶と岸辺一徳を秘書たちがボッコボコにする事だったような気がするけど...
ただそれだと最初に書いたような「そもそも映画にする必要があるのか」というパラドックスに陥ってしまうのもたしか。

何よりこれだけ主役級のキャストを使ってやること?という1番の疑問点...

とかいいつつ私自身は家で観てるのでそこまでストレスなくSPドラマをみているが如くさらっと観てましたが。

まー映画化する必要がないモノを映画にしてマネタイズしないといけないTVドラマのシステム自体こそが、もー終わってしまっているのだろうなーと真っ白な雪景色を見ながらぼーっと考えていましたとさ。

2023-59
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