Hiroki

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室のHirokiのレビュー・感想・評価

3.9
興行収入は45.3億円で2023年の9位。
8位の『ミステリという勿れ』と併せてドラマ映画化を引っ張った今作。
ちなみに最近リブートが発表された踊るシリーズとか海猿シリーズのようにテレビドラマ自体が全盛で、映画化も盛り上がっていた2016年以降でみると今作は3番目の興収に。(1位は2018年『コード・ブルー』の93億円、2位は上記のミステリという勿れ。)
そのくらいこの数字は凄い!

その興収が示すように近年のドラマ映画化作品としてはかなり良かった。
個人的にテレビドラマの続きはテレビでやってよと思ってるので、映画館では観てないですが...
そもそも今作は物語の種類的にお金を使えば使うだけ良いものになるという性質があるので、映画化に適している。
実在するランドマークタワーを爆発したり、横浜で起きた事故なのに東京都が指揮権を得て活動したりもーめちゃくちゃな展開の連続。
ただなぜかそんなに不快感が無くて。
まードラマシリーズからそーだったからというのもあるけど。
なんでかなーって考えたらこれコナンじゃんと思った。
劇場版コナンの実写化じゃんて。(いや違うけどね)
やっぱコナンが蘭ねーちゃんを炎上するビルに助けに向かっても誰も「いや無理だよ」とか「不可能だろ」とか思わないじゃないですか。(そんな話あったな)
半分笑いながら半分本気で頑張れーって思えるのがコナンの良さで。

今作も「いや無理だろ」って思うシーンは度々あるけど、それを上回る熱量と面白さがあった。
それを引っ張るのはやはり鈴木亮平の熱。
いやこの人はこーいう役やらせたら本当に日本でも右に出る者はいない。
そしてドラマシリーズでは脇役だった仲里依紗も今回は凄かった!
この2人の暑苦しいほどの熱演がベタな展開が多い物語にエネルギーを吹き込んでる感じはしたなー。

あとはやっぱり賀来賢人。
最初に喜多見(鈴木亮平)からMERのユニフォームを渡されて断るシーンから、全ドラマシリーズから観てた人が「いや絶対後半で喜多見助けるやん!」と思っていたはず。
まー結局このドラマは喜多見と音羽(賀来賢人)なんですよねー。
相反する2人がぶつかり合いながらも互いを認めて、スーパーマンのはずの喜多見が最後に仲間を頼ってその先頭で助けるのが音羽という展開。
古典的だけどこの展開はやはりブッ刺さります。
唯一このドラマで犠牲になった喜多見の妹・涼香(佐藤栞里)の事を想っている描写も良い。

相変わらずのこの人いないと全員滅びているだろの千手隊長(要潤)とか、なんだかんだ良い人な久我山局長(鶴見慎吾)とか、いつのまに官房長官にの白金(渡辺真起子)などドラマシリーズから観てる人へのファンサもあり。

逆に今回から出演の杏を始めとするYOKOHAMA MERチームはなかなか中途半端な出方にはなってしまった印象。
2時間でそこまで構ってられないけど。
あと放火犯(今野浩喜)も犯行動機などが全く語られずに終わっていくので必要だったか疑問。
物語の性質上、必要不可欠な部分ではないのはわかるし、ドラマシリーズから「誰の命も見捨てない」という理念がありそれを見せたかったのもわかる。
ただそれならドラマSPで少し触れておくなどの配慮はあっても良かったかも。

この興収と終わり方なのでまた続編映画は期待できる気がする!
最後に無事に子供が産まれたので今度は「子供の命と負傷者の命どっちを選ぶんだー」的な内容が頭に浮かぶ。
今度はこれ映画館案件かもしれない!

2024-14
Hiroki

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