YURINA

聖地には蜘蛛が巣を張るのYURINAのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
3.5
一貫した女性蔑視と娼婦蔑視に対して色々考えてしまう。体を売るしか稼ぐ方法がない・そうせざるを得ない状況があるんだろうなと思うし、それはその人が悪いとか自業自得とかそういう話では一切なくて社会の問題で全員の問題だと思うのに、本作ではそのように扱われることは全くなくて苦しかった。
女性をまた娼婦を穢らわしいものと下に見ており、ここの分断も埋まらないんだろうなと思った。
あまりにあまりに娼婦に人権がなさすぎる。苦しい。

連続娼婦殺人犯を追うというサスペンス的な側面もあるけれど、それよりは違った社会の違った価値観に触れる時間になってしまった。

処刑シーンのラストの意外性はよかったけれど、その面白さより、この人は自身の罪を受け入れることも反省することもなく処刑されてしまったんだな、とやるせなさが残る。
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