CLOSE／クロースのまりものネタバレレビュー・内容・結末

親友以上の兄弟のようにずっと一緒に過ごしてきたが、からかわれたくない、周りに馴染みたいというレオと、これまで通りの関係でいたいレミ。レオを責めることもできないし、レミがどれほど傷ついたか考えると苦しい。冒頭2人が笑顔で花畑を走るシーンがあまりに美しくて尊く、ラストひとりで走るレオが後ろを振り返る姿に彼の背負ってしまったものの重さを感じる。折れた骨は治るし花はまた咲くけれど、もうレミは帰ってこない。謝りたくてももう遅いし会いたいと思ってももういない。少年から大人になる途中の、自分でもどうしたらいいかわからない心の揺れ動きの中で、また大人になってからも人との関係の中で、果たして誰もが『正しい』選択ができるのか。美しい情景の中に喪失感が残り心に刺さる映画だった。表情や会話や行動から心の動きが本当によくわかって、この2人はこれが俳優デビュー？だそうで、本当にすごいなと思った。