よう

スイート・マイホームのようのレビュー・感想・評価

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)
2.5
新築マイホームにおけるミステリースリラー。
斎藤工監督作品。


いわゆるホラー演出については概ねよかった。
赤ちゃんの瞳に映る人影みたいな繊細なところもあるので、スクリーンで観たほうがいいとは思う。
印象的なのは顔アップ。
顔アップのショットが多すぎなところもあるけど、すごい寄ってたり、どことなく不穏さのある表情だったりで、そこも繊細さがある。

細かいとこだけど、主人公の職場シーン。
主人公が使ってるタブレットを(後にわかる)不倫相手がごく自然に操作してて、そこですでに近しい関係性を匂わせてるのはいい。
あと、不倫相手が別れ話を言った後に焼き魚に菜箸をブスリと刺すのもよかった。


キャストもよかった。
窪田正孝さんは何かに巻き込まれる主人公はハマるよね。
奈緒さんって、おそらく自分はdocomoのCM「借りなくていいの」で知った人なんだけど、出てきただけでちゃんとした人オーラが出る人だなあっていう。
窪塚洋介さんのあのバランスも独特。


ミステリー的にはミスリードがあからさますぎると感じた。
主人公が疑う人物。なんであんなこと言ったの?
あの人物を怪しく見せすぎ。

犯人の動機そのものはわかったのだけど、犯人の過去に起きた不幸との因果関係が薄い。
ただのサイコパスでもいいような。
どうやら原作だと、犯人の過去にはもっとひどいことがあるらしい。

あと、細かいとこで、75℃に設定できるようにするシステムって存在する?
まあ、映画としてのウソ描写としてそれもいいとも言えるけど。

映画としてのウソといえば、暗い所のシーン。
あれ、本当に暗くてほとんど見えない。ここもスクリーンのほうがいいのかも。
そこはウソついて、映画として見やすくしてもいいのでは? と思う。もしくはスマホのライトつければいいし。

クライマックスで暗い場所だけど赤い光を使ったシーンはよかった。
あそこの犯人がゆっくり近づいて覗き込むところ、息遣いだけが聞こえるってなかなかの不気味さ。


クライマックス後の展開。
原作でも同じ展開らしいけど、あそこまでやる必要あるのかなあ。
不快感で終わりたいのもわかるけど、さすがにやりすぎかと。
この映画でいちばんの悪業だと思う。
よう

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