土偶

大いなる自由の土偶のレビュー・感想・評価

大いなる自由(2021年製作の映画)
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刑法175条をテーマにした映画を最近見ているんじゃないかと記憶を辿ると、ワイマール共和国時代からナチスへの政権移行期を舞台にした「エルドラド: ナチスが憎んだ自由」(Netflixにて配信)で聞いたばかりだった。

1968年西ドイツ、主人公ハンス(フランツ・ロゴウスキ)が公衆便所での性行為の証拠となる映像から映画がはじまる。
ナチス収容所から解放されたものの戦後も同じ175条で刑務所に送られる1940年代、再び収監される1950年代、さらに収監される1960年代末期と3つの時代を同じ刑務所を舞台にして縦横に場面が切り替わっていくのだが、そのタイミングがハンスが懲罰房(明治の網走刑務所かと思った)に入る時の暗闇を利用していて、ハッとなる。

アラン・チューリングを主人公にした映画で、このようなソドミー法がヨーロッパのあちこちに普通に運用されてたのも最初は驚いたもんだが、西ドイツでも時代のうねりで1969年に法律が変わることになる。その後のハンスが選んだエンディングにまさか…と。自由とは?と投げかけられたようだ。
あと同室になるヴィクトールに「なまりが…」と言うセリフがあったけど、彼はどこの出身なんだろうな。東独逃亡する会話があったから東側なんだろうか。


ところで1960年代のハンスの恋人(同じく逮捕)教師のレオを演じてるのが「バビロン・ベルリン」で早くに退場してしまった風紀課のシュテファンではないの…。
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