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苦い涙のpokotanのレビュー・感想・評価

苦い涙(2022年製作の映画)
3.5
映画監督として成功した中年のおじさんが若いイケメン俳優の男に夢中になり、捨てられる話。

映画監督のピーター・フォン・カント。
アミールと出会って、目の色が変わるところは面白かった。
どんどん彼に惹きつけられていく様、そして、結婚してることを知った時の冷めた態度といい、演技上手いなあと。

そして、9ヶ月も経てば自由にわがままになっているアミールも笑った。
ピーターが彼に尽くして、彼に固執し、嫉妬に狂う。
理解できないのが、アミールが妻に会いに行くのにお金を催促して、ピーターが渡すところ。
アミールもよくお金を要求出来るなと思うところだけど、ピーターも渡すんかい。

使用人のカールの気持ちもいまいち分からなかった。
小柄でスッと細く、最初愛人なのかと思いきやそうでもなく。
あれだけ奴隷のようにこき使われ罵られて、耐えて尽くしてきたのは、たぶんピーターに対して少なくとも一方的な恋愛感情があったハズ。
最後、落ち着いたピーターがカールに優しい言葉をかけたあと、カールがズボンに手をかけて「これはだめだ」と止めるところからも、ピーターに対して性的な魅力を感じてたわけであり、その後、「君の話をしてくれ」と言われたところでツバを吐いて拒絶し彼の元から立ち去る。
恋愛に発展しない、ただの寂しさを紛らわすだけの道具だと思ったのか。

さすがのフランソワ・オゾン監督で、アミールの若さの中にある色気、野心は良かった。
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