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The Long Goodbye(原題)のBaadのレビュー・感想・評価

The Long Goodbye(原題)(2020年製作の映画)
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リズ・アーメッドが共同監督で、昨年アカデミーの短編映画賞を受賞した映画。
YouTubeのリズの持っているチャンネルにて視聴。

これを受けてリズは今年アカデミー賞のノミネーションの司会の一人を務め、もはやスターウォーズに出演しているのにアメリカの入国時に引っかかって留め置かれることも無くなったのだろうと思うと、心から良かったと思う。

映画は普通の休日を送っているリズの一家がテレビニュースで報道されていた右翼団体のデモの襲撃を受けたその後までを12分強で描いているフィクションなのが、これが現実に起こりかねない、ということが恐ろしい。(実際これに類する事件は起こっているのであろう。)

字幕があっても、特に最後の3分余りのリズのリリックが聞き取りにくいのと、襲撃そのものがソフトに描かれているので、どう受け止めていいのか正直困ってしまうので、スコアはなしとしますが、現実に普通の住宅地でそこそこ豊かに暮らしているパキスタン系のイギリス人がこういう恐怖に日常的に晒されていることは恐ろしい。

あと、リズの一家が日常的にはウルドゥー語も少し使っているというのもちょっと意外でした。

こういう場合、警察や隣人は本当に動かないんだろうか?

同じ年にケネス・プラナーの『ベルファスト』がノミネートされていたのですが、それと比べると同じような状況なのに結構違う。

今年のノミネーションを見ると、世の中は直線的に前向きには進まないんだな、ということがよく分かりますが、蛇行しつつも、こういう不逞な輩が変な八つ当たりをやめることを願います。
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