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映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズのkekqのレビュー・感想・評価

3.5
東京に生きる普通の動物たちの異常なドラマ。テレビシリーズが大好きで、劇場版も十分に楽しめた。

ディスコミュニケーションを前提としたコミュニケーション。これだけ会話量が多いにも関わらず、すべてに漂う白々しさはなんだろう。個人の持つ膨大な情報量に対して深まる疑念、満たされない孤独、増大する不安…。
”情報”が”情”よりも圧倒的優位に立っており、どれだけ想いを寄せていても、どれだけ絆でつながっていても、情報がその裏付けを十分に果たしていなければ、けっして心を通わせあうようなことはない。

インターネットとスマートフォンにより捻じ曲げられた人間の本質を敏感な感性で描いた作品であり、私たちの認知も行動もこのベクトルで加速していく。なにかを得たら、なにかが失われる。失われたものにきちんと気づいて生きたい。
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