おなべ

TAR/ターのおなべのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.7
◉「あなたは◯しい」という言葉が突き刺さる。

◉第95回アカデミー賞にて〔主演女優賞〕を含む6部門にノミネートした作品。

◉ドイツのベルリンフィル管弦楽団で世界最高峰のオーケストラ指揮者を務めているリディア・ターは、指揮者として大成功し、順風満帆な生活を送ってるかのように見えたが…。

◉《ケイト・ブランシェット》様の圧倒的な表現力に高評価。力強い指揮ぶり、音に敏感で繊細な心内の機微、権威主義的な強い女性像とレズビアンetc…まるで「カリスマ性」と「孤高」を具現化したような、難しい役を見事に全身で体現していた。

◉世界最高峰の指揮者であるが故、世間一般との「ズレ」がこんな形で顕れる。もちろん、その人たちの悩みなんて、その人たちにしか分からない。ただ、性別関係なく、才能のある人特有の、才能があるが故に大事な部分が欠落している人の典型。あれ、身近にも似たような人がいたような…。人を蔑ろにすること勿れ。

◉終わり方について、ハッピーエンドと捉えていいのか悪いのか。捉え方によって変わるものの、人の本質は変わらない(特にターのような人の場合、変えられない)ため、同じ結末を繰り返す事になるかと…。
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