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恋のエチュード 完全版のkojikojiのレビュー・感想・評価

恋のエチュード 完全版(1971年製作の映画)
3.4
#1175
1971年 フランス🇫🇷映画
トリュフォー9/22
原作は「突然炎のごとく」の原作者: アンリ=ピエール・ロシェ

高校の頃だと思うが、やたらこの原作本が本屋に溢れていて、すごく気にはなった。しかし、なぜがあとひとつ、読もうという気になれなかった。
その本には、ちょうどこの映画のジャケ写が帯についていた気がする。


当時目を引いたのは「恋のエチュード」という題名。「恋のエチュード」とは恋愛の「習作」ということだから、本物の恋愛のための練習期間、つまり淡い恋の頃ということか。そんなことを当時思っていたのを思い出した。

しかし映画はそんな雰囲気ではなかった。
舞台は20世紀初頭のイギリス。美人姉妹アン(キカ・マーカム)、ミューリエル(ステイシー・テンデター)と知り合いになったフランスの青年クロード(ジャン=ピエール・レオ)は、すぐに恋に落ちる。二人の間で心は揺らぎ、激しい三角関係に苦しむことになる。

最初の30分ぐらいは音楽もいいし、これはいけるかもと思ったが、アンと結ばれるあたり、つまり三角関係が始まるあたりから全く良くない。主人公クロードの気持ちがさっぱりわからない。キャスト3人とも好きになれない。結局、感情移入が全くできなかった。

三人の演技が、わざとなのか知らないが、突き放したような演技は、逆に下手なのではないかと思わせる。
あれだけ「大人は判ってくれない」で素晴らしい演技をしたジャン=ピェール・レオにも、ガッカリだった。

それに加えて、ナレーション。
「突然炎のごとく」でも書いたがこのナレーションはいるのだろうか?
なんと言っても、雰囲気に合わない声のトーン。不必要な解説。この声が出てくるたびに興醒めする。

私にはこの映画は全くダメだった。トリュフォー作品の中で最低の評価3.4だ。期待していただけに非常に残念。

2023.05.11視聴210
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