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めぐりあう時間たちのtotsu9pieroのネタバレレビュー・内容・結末

めぐりあう時間たち(2002年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

偽りの生活。何かに囚われる生活。
複雑な3人の物語を絡めつつも、一人一人を細かに描き、少しずつ紐解いていく展開も素晴らしい。3人の状況や設定、周りを取り巻く人々それぞれに共通項があり、愛、人生、偽りの普遍性が伝わってくる。
主演女優3人の演技が負けず劣らず良い。小説を書くヴァージニアには囚われの苦悩が表情、眼線、目つきなど、生活に滲み出ている。主婦のローラは虚無感を抱えたままの仮初の幸せに流されながらも自分の本当の居場所を探し苦しみ悶える感情を抑えた上での、脆く今にも崩れそうな言動、表情、声の細さ。授賞式後のパーティの準備をするクラリッサは飲み込めない思いを場面場面で覗かせ、感情の発露。他2人に比べてどちらかというと観る側の共感性が高い役柄であり、かけ離れた感情や状況にいない分入り込みやすく、クラリッサを主軸に全体を観ることができた。
1度の視聴では理解できたか自信がないが、3人の女性のそれぞれの物語を絡めながらの展開がテンポ良く切り替わり、三人それぞれへの関心を失うことなく最後までしっかり楽しめた。
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