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サンクチュアリ -聖域-のヒデのレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
4.0
「角界ぶっ壊す!!」

超問題児の不良が大相撲の世界に入り、父が潰してしまった寿司屋を取り戻すために成り上がっていくお話。

めちゃくちゃ面白い!1話の完成度の高さにビックリした。主人公・小瀬(猿桜)の複雑な家庭環境を映すだけでなく、「横綱の年収を知ってるか?億だ」とピエール瀧がリアルな給料事情を話すところがめちゃくちゃ上手かった。ピュアな理由だけで相撲はなかなかやらんだろと思ってたけど、ここで一気に主人公のモチベーションに乗りやすくなった。「土俵にはね、金・地位・名誉、全部埋まってるんだよ」「1500年以上の歴史の中で、横綱に上り詰めたのはたったの72人だ。異常の上に成り立つ異世界」あたりのセリフも素晴らしい。

政治部で問題を起こして、やりたくもない相撲担当になった飛鳥(忽那汐里)もいい味出していた。アメリカ育ちでめちゃくちゃ現代人の価値観を持つ彼女が、旧態依然とした稽古内容やパワハラまみれの角界に触れ、最初は憤慨しつつも次第にその魅了に取り憑かれていくのが面白い。パワハラの内容も、竹刀で血が出るまで殴ったり、後輩にトイレで自分のお尻拭かせたりとなかなかにガチ。綿密な取材に基づいている感じがする。

主人公の好感度だけもうちょいなんとかならんかったんかとは思ったけど、主演の一ノ瀬ワタルさんがあれだけ見事な演技をしてくれていたのでOK。スローで砂と汗を吹き飛ばしながら戦うシーンの迫力は圧巻だった。個人的に断髪式のシーンが泣けて好き。
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