ヒデ

新聞記者のヒデのレビュー・感想・評価

新聞記者(2021年製作のドラマ)
4.5
「隠蔽されたまま終わっていい事件はないから。声なき声を届けるのが、記者の仕事だと私は思う」

森友学園問題を題材にした社会派ドラマ。汚職事件を追及する新聞記者・松田(米倉涼子)と、公文書改竄に関わってしまった官僚・村上(綾野剛)、そして政治に無関心な新聞奨学生・亮(横浜流星)。3人の人生が事件を通して重なり合う。

全編良かったけど、鈴木和也(吉岡秀隆)がメインの2話目が神回だった。汚職に手を染めてしまった真面目な財務局職員が見た地獄。そしてそれをただのトカゲの尻尾切りで終わらせまいと奮闘する家族と、真実を暴こうとする新聞記者…。
新聞に興味のなかった亮の成長や松田の活躍など、カタルシスの詰まった5話目も良い。

5話目で「若い人たちが世の中の出来事を自分事として考えられるよう」「社会で弱い立場にいる人の声をしっかり届けたいです」という言葉が出てくるが、この作品もその役割を担っている良作だと思う。他人のニュースに無関心でいることは何より残酷なことなんだと思えた。民放では扱えないであろう題材をしっかり掘り下げて作ってくれた藤井道人監督とNetflixに感謝。


以下、セリフメモ。

「私は主人が何に殺されたのか、どうしてもそれが知りたいんです」

「上の決定で下がどれほど苦しんでるかあなた分かってるんですか⁉︎ 罪悪感を抱えて生きていくことがどれだけ辛いか、あなた分からないでしょ‼︎」

「私たちがもっと大人になった時、ちゃんと"日本っていい国だよ"って胸を張っていられるためには何ができるんだろう?」

「どうやったらみんなでこれからの世の中を考えていけるか、メディアも、国を支える人たちも、もちろん私たちも、一緒に考えていける国になればいいなって思う」

(裁判所の前に立って)「…ここからです」
ヒデ

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