ろく

浜の朝日の嘘つきどもとのろくのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2020年製作のドラマ)
3.5
まさか映画のラストエンディングからそのまま来るとは知らなかった。

竹原ピストルズがほんとダメな映画監督でいい感じ。それと高畑充希も絶妙なやさぐれ演技に笑わせてもらった。

ただ少し不満も(それは日本映画界に対してもだけど)。

うん、映画が地方創生のためのものになっている事実ね。ご当地のためなら地元の人がお金を出してそれに対して動く「映画人」。このドラマではそこのとこを肯定的に書かれているけど結局は大して面白くもない「映画」を「地方のためだから」というお題目で「お金をかすめ取り」そして映画人たちはその上がりで「生活する」という構造的な問題があるわけ。たしかに映画を発表するってのがなかなかシステムとして難しいし、それでも映画が撮りたいって人はいっぱいいるのだけど、そこを安易に「じゃあ地方が出してくれる」という感じで食いつくのはいいのかなぁ。だってそんな映画誰が見るんだい。その地方の人以外は実際見ないんじゃないの。でも発表する場がと言われると悩むんだよねえ。

そう、僕も映画が好きで好きで仕方ないけど、日本で映画を作ることの困難さがこのドラマを見てもわかってしまう気がするんだ。だからドラマは大団円な感じだけど僕は正直手を叩けなかった。だってそこにあるのは「それでいいじゃん」っていう映画人の矜持のなさだと思うからだよ。

文句も言ったけど、映画作ることの困難さが表れているのはいい。どこにもいる、そのものを愛してなくそこを利用してお金をかすめる輩に対しての不満はあるんだ。「製作費はあるのにお金を中抜きされて現場にはお金が残らない」それは映画だけでない。いろんな「ずるい人」たちへの警鐘かもしれないよね(それこそ原発の除染の問題なんかもそうだ)。

映画みないでも楽しめるドラマだけど、やはりこれは映画とセット。タナダ監督の訴えもダダ漏れ。僕は「その通りだ」とも思ったし「あんたも覚悟がないんだよ」とも思った。でも考えるのは大切だね。

※フィルマのポスターがそのまま映画のそれなんだけどいいのですか?
ろく

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