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俺の家の話のAPOのレビュー・感想・評価

俺の家の話(2021年製作のドラマ)
4.2
絶妙に面白い。ツボだ。

宮藤官九郎のセンス好きだなあと再確認出来たような気分。

じわるポイントが多くて熱中して観てしまった。長州力が長州力として出てきた時すぐに面白かった。

日本伝統芸能である能に関しては無知に近いので詳しいことは分からないけど、第1話で好発進したように思う。
寿一(長瀬智也)が後を継ぐのだろうがどうなってゆくのか、、。

西田敏行が演じるこのキャラクターが良過ぎる。お風呂介護シーン(特にシャンプー時)とか笑みしか溢れんかった。

介護ヘルパーのさくら(戸田恵梨香)の正体も気になる。


第2話 1/29

長州力のセリフで
好きなこと仕事にしてない事がいいな
的な事を寿一にしていた。
好きな事を仕事に出来たらいい、という考え方とは真逆で印象的だった。
仕事となってしまうと"好きな事"であっても少なからずその好きな事の中でも嫌な事や本当はやりたくない事を熟さなくてはいけないから仕事とは別で好きな事には取り組む方がいい、ということなのかな。
観ているだけで笑える長州力からこの言葉が出てきて不意をつかれた様な感覚とやっぱり憎めない滑舌悲惨男だなと改めて思った。


怪士(あやかし)
苦しんで死んだ者を演じる時に付ける能面のこと。

何故このドラマが好きなのか考えてみたら一つ明確なものがある。それは西田敏行演じる観山寿三郎が観たいが為。キャラクターそのものもあるのだが、西田敏行って改めて物凄い役者だなと。
段々と物忘れ等進行してゆく中で、一つ一つの表情など本当に目が離せない。
さくらの前では素直で本音を吐き出せる関係性というのも良い。
魅力的なお爺ちゃんだ、全く。


第9話 3/20

「離見の見」
世阿弥が遺した役者としての心得
"自分自身を離れたところから見る目を持ちなさい"
親父のいた席にいる自分を離れたところからから見る寿一。親父寿三郎の偉大さに改めて気付いたと同時に、スーパー世阿弥マシンが自分であると公式的に皆んなの前で名乗る決意をした場面。



最終話 3/26

松前漬けの数の子。それはニシンの子供。
祝い事ではニシンを漢字で書くと "二親" 、数の子は両親が健在でめでたい、と言う意味がある。
知らなかった。歯応えと味と大好き、松前漬け。

序盤から何か変だなと思っていたら、、、まさかの寿一がお亡くなりになるとは。
寿一は観山家の人間家宝だと涙ぐみながら言う寿三郎。素晴らしい演技だった。

本当に勝手だが、最終話はどのような形で寿三郎とお別れになるのかな、そして遺言状で宗家は誰が継ぐ事になるのか、など色々構えながら鑑賞した。
寿三郎の生命力の強さ、それが寿一が残したものなのか分からないが、そこから1年以上元気に生活している姿があって幕は閉じた。

こういう温かいホームドラマ最高。
素晴らしい脚本と素晴らしい演者と素晴らしい映像技術と素晴らしい音響音楽と全てが好きだった。
APO

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