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世にも奇妙な物語’20秋の特別編のSSDDのレビュー・感想・評価

4.0
タテモトマサコ

タイトルからして意味深でなにか不気味さのある感じからワクワクしていましたが、大竹しのぶさんが主演となるホラー。

ミラバケッソの人がフィアンセに鼻血を出しながらプロポーズされ、翌日には自殺されてしまうというセンセーショナルな形から物語は始まる。

タテモトマサコという中年の女性は無口で異常なほど喋らない、その女性とのトラブルにフィアンセは巻き込まれていたのではないかと同僚から話を受け、徐々にタテモトマサコの過去を探るミラバケッソ。

過去にもタテモトマサコの周りには不審死があったことがわかり、問い詰めるが…翌日にはフィアンセの死すら忘れてしまう。

果たしてタテモトマサコは何者なのか。


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ここからネタバレ

化学的なアプローチなのか心霊的なアプローチなのかによってホラー要素が変わりますが、今回のは後者。

タテモトマサコの能力の強さは言霊にあり、言ったことを他人が実行してしまうという異常な言霊の強さを持つ。

彼女はその能力から他人に影響を及ぼさんと極力口を開かないが、口を開くと独特の倫理観と破綻した論理を繰り出し始める。

屋上で喋り出したシーンの異様さ、あの独特の対人恐怖症気味の人間の話し方に近く他人に否定される前に自分の理を捲し立てるようにしゃべる様は圧巻。

そしてはじめての言霊の犠牲者の話は面白く、何を言っているのかわからないようで自己の理論の根源となる出来事と倫理観の歪み方が最高なキャラクターだ。

ミラバケッソには能力が通じにくいのか、言霊がかなり強いのか不明だが、最後は録音された自身の言葉に自我をなくすように仕向けられる。

しかし最後、立ち去る際になんとも言えぬ笑みのような表情を見せて終わる。

彼女は自身の能力さえも忘れてしまえれば孤独から救われる道もあったと思うが、あのまま自我を取り戻し、自分の望む平和を求めてまたフラフラと居場所を変える化け物であってほしい。

世にもの中のホラーとしては一番好きかもしれない。
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