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ジェントルメンのSSDDのレビュー・感想・評価

ジェントルメン(2024年製作のドラマ)
4.2
◼︎概要
父が他界し、公爵の座も含めた相続が発生する一家。商才がなかったはずの父には、裏のビジネスがあった…。

◼︎感想(ネタバレなし)
映画ジェントルメンの監督ガイリッチーが8エピソードで同名作品を作り上げた。ロック・ストック・トゥースモーキンバレルズ、スナッチのようにあらゆる組織、派閥の個性的な登場人物達が多数出てくるにも関わらず、それぞれ個性を感じられ、最後に帰結していくという得意のシナリオは圧巻。

本作でもその才能を十二分に発揮し、自然溢れる美しい屋敷が織りなす映像美を使いつつ、シニカルで笑えつつ暴力的な作品が仕上がっている。

ガイリッチー作品が好きな方なら必見。
もっとスコア的には高くなると思っていたが、やはり長編過ぎるよりも映画という尺でまとめあげるのに長けているのかもしれない。

映画ジェントルメンの世界観をたっぷり堪能できました。













◼︎感想(ネタバレあり)
・本物のサイコは誰か?
長男のフレディははちゃめちゃだがクズで凡人。次男のエディは子供の頃の狩の話からも、作中屈指の残忍なサイコなのかもしれない。

最後の争わせて全ての対立組織をうまく操って血祭りにあげていく所業は、狂ってるとしかいいようがない。

初めはジェスロを殺すのを躊躇ったり、ディーラーで監禁されている男を救ったりと、かなり甘い男だったが、覚悟を決めたエディの徹底ぶりは恐ろしい。

・総評
映画並みのクオリティで終始8エピソードが創り出され観られたのは良かった。
序盤から出てくるクズどもが最終的に帰結して、それぞれ自業自得とも思える最期を迎えてくるのも面白い。
ただ、中盤から重くなり過ぎて最終的な爽快感よりも、全体的に重苦しいギャング作品になってしまった感は否めない。

ガイリッチー作品は多くの悪人が出てくるが、あまり胸糞が悪くならないものが多いと思っている。それぞれ因果応報とも取れるためが大きいが、それでもまとめて意図的に始末するよりもロックストックのように、意図せず問題がなさが解決したという爽快感の方が作品として好きだからだろう。

これは好みの問題かもしれないが本作からは少し爽快感は薄かった。
昏睡状態のジャックが元気だったり、他の貴族の屋敷を乗っ取ってたギャングどもが制裁されている様子などが欲しかったのもあり、少し物足りなさはある。

しかしさすがガイリッチーとしか言えない作品で、なかなかこの人数を出してアンサンブルを奏でるのは才能だと思う。

ガイリッチー作品はやはり今後も楽しめそうだ。
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