花とみつばち

岸辺のアルバムの花とみつばちのレビュー・感想・評価

岸辺のアルバム(1977年製作のドラマ)
5.0
このドラマだけは特別な思いがあります。DVD 購入して何回と観ました。
山田太一脚本、本当に面白いです。

仕事ばかりで家庭に関心がない父親の謙作、専業主婦の母則子、どこかいつも何かに苛立って不機嫌な大学生律子、そしてこのドラマである意味一番重要な役である受験生の繁。この四人家族の田島家。各々が違った方向を向き、セクシャルな問題が各々に振り掛ける。それを一番気に掛け傷付くのが繁であった。
繁は、家族思いで特に母親の則子と気が合う。そんな則子がある時一本の悪戯電話をきっかけに家族に言えない秘密を持つ事になる。
この家族の中でも特に思い遣りがある繁は、なかなか家族に認めて貰えない。そこが家族が崩壊する原因でありきっかけである様に私は感じて観ていました。
やはりクライマックスである第12話、この繁が家族の秘密を暴露するシーン、ここが一番の見所かと!
「母さん、父さんが会社で何をしてるか知っているか?」
「父さん、母さんはね…渋谷で…」
「そうさ次は姉さんの番さ」
繁役の国広富之最高でした。
家族は崩壊と共に台風で家が流されます。しかし…
暗い内容ですが、家族というものを人としてよく考えさせられた本当に良いドラマでした。
花とみつばち

花とみつばち