Frengers

2034 今そこにある未来のFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

2034 今そこにある未来(2019年製作のドラマ)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

 タイトルのは2034と記されているものの実際は2029年までの事について。メインとなる家族は4世代で出身もバラバラ。共同体の理想形でもある彼らがドナルド・トランプのようなヴィヴィアン・ルックの存在によって断絶し失われ、もう一度取り戻すまでの一連の物語をSF的に描く。銀行と福祉の破綻、国家の横暴、国境どころか地域や街にさえ境界を敷きコントロールするディストピア的世界観は現実と地続き。個人の夢や欲望が、成就することなく失われるきっかけになるというプロットの軸が非常に良かった。
 映像面では10年の事柄を6話で巡るのでかなり駆け足気味で、どうしてもダイジェスト的になってしまうのが残念。演説や家族のパーティーのシーンもカットを割らず長く見たいし、役者の動きや表情の変化を追いかけたり映り方の変遷を見たい。4話辺りから徐々にそういう映像になっていくものの、手振れカメラとバストショットの切り返しが多くて勿体ないなぁと思ってしまった。役者は全員好きなのに。といいつつ6話の祖母ミュリエル・ディーコン(アン・リード)の演説は最高!
 あと劇伴がメチャクチャ音大きいのはなんでだろう。ハッピーバースデーの歌をかき消す前半で唖然としていたら、各話の後半でほぼ爆音なのはなぜ?そしてこの作品における日本の位置づけよ…
Frengers

Frengers