ソラアユム

ロキ シーズン2のソラアユムのレビュー・感想・評価

ロキ シーズン2(2023年製作のドラマ)
3.7
題名:ロキ S2
鑑賞日時:2023年11月15日
鑑賞方法:Disney+
評価:3.7(MAX5.0)

『もう分かっている。どんな神になるべきなのか。』
 

□鑑賞期間:2023/11/8~2023/11/15
2023年46本目

□悪戯の神ロキが時間取締局(TVA)の分析官メビウスと共に世界の滅亡を阻止するために奔走する様を描く。

 Ep5~最終Epまでの内容はドラマ版の中でもトップクラスの盛り上がりを感じるし、終わりよければ全て良し…と言いたい所ではあるけれど、個人的には序盤~中盤の展開が非常に退屈に感じたのが大きなマイナス。

 傍若無人な神ロキが初めて他者を思いやり、自己犠牲的な行動に出るクライマックスにはキャラクターの成長が確かに感じられ、大きな満足感が在った。

 しかし、要領を得ない装置を直すための人探し、シルヴィやラヴォーナが介入する冗長な三つ巴の攻防にドラマの大半の時間は割かれていて、目的を何度も見失いかける難アリな作劇だ。まさに時間の無駄とはこのことでは。

 何やらS1にて≪在り続ける者≫を殺したことで、時間軸の分岐がオーバーロードし、時間軸の分岐を調節していた時間織機なるものがメルトダウンしたらしい。メルトダウンを阻止するために奔走するというのが今作の本筋で、そのためには≪在り続ける者≫と同じ時間オーラを持つ変異体を見つけ出す必要があるらしい。タイムパッドを駆使して、あらゆる時間軸のあらゆる時代で事情を知っている?と思われる人物を探索するというのが大まかな序盤の展開だ。

 見てわかる通り、文字でざっくり書き起こしても、非常に回りくどい。

 裏切りの神に掛けて、仲間を裏切る展開が多いのだけれど、そこにいちいち必然性を感じない。シルビィがメビウスにキツイ説教をする件があるのだけど、あそこのシーンが今作で1番共感できたところ。

 ロキが文字通り時間に翻弄される描写やハードSFのエッセンスが凝縮された時間織機の造詣は良かったと思う。SF映画の金字塔『インターステラー』にも登場した時間を3次元的な糸(や織物)として捉えるというのも素敵だった。


□まとめ
 TVAのマルチバースサーガにおける役割は大きくなりそうなのだけれど、この組織が絡んでくると神聖時間軸での出来事含めすべてが茶番に見えてしまうので、今後のお話にはあまり介入して欲しくはないな…しかし、マルチバースサーガの大ボスがカーンである以上は切っても切れない関係なのだろうか…


以上