うにたべたい

仮面ライダー (スカイライダー)のうにたべたいのレビュー・感想・評価

4.2
昭和ライダー6作目。
仮面ライダーシリーズは、前作『仮面ライダーストロンガー』にて、一旦終了します。
その後しばらく新しいシリーズは作られなかったですが、特撮ヒーローの特番や特集記事が良好で、ファンの注目を再度集めることとなりました。
そんな中企画されたのが、自由に青空を飛び回る仮面ライダー・スカイライダーです。

悪の組織・ネオショッカーにより友人たちを殺され、自身も瀕死の重傷を負った青年「筑波洋」を救うため、ネオショッカー科学者の「志度敬太郎」は、やむを得ず洋を改造人間として蘇らせます。
恐ろしい力を手に入れた洋は、改造を施してしまったことを悔やむ志度博士に戦う力を与えてくれたことを感謝する。
洋は、恐ろしいネオショッカーの悪巧みを討滅し、仮面ライダーとして正義のための戦うことを決意します。

元は初代・仮面ライダーをベースに作られた新しい仮面ライダーで、タイトルも初代と同じ『仮面ライダー』です。
悪の組織に改造され、悪の組織を倒すため戦うバッタの改造人間であること、最初はダークなカラーリングだったがパワーアップにより明るい色になることや、初代の敵幹部が軍人風、二代目がコミカルであることなど、初代・仮面ライダーと共通する点も多いです。
また、立花藤兵衛は本作からバトンタッチになります。
最初は洋を改造した志度博士がそのポジションでしたが、体調不良が原因で交代に、14話以降、「谷源次郎」がおやっさん役として登場します。
途中、テコ入れにより谷が始める喫茶店・ブランカが拠点になり、みどり、ミチ、ユミ、後にナオコ、アキにバトンタッチするライダーガールも本作から復活します。
初代ライダーを見てきた層からすると、色々と懐かしさを感じる演出がありますね。

一方で、6作目ライダーの大きな特徴があり、それがベルトの重量低減装置による"セイリングジャンプ"による飛行能力です。
序盤は飛行能力を活用した行動が多く、子供を乗せて空高く舞うシーンなど名シーンも多くあります。
もう一つ、バイクごと敵拠点に体当りする"ライダーブレイク"も大きな技の一つです。
両方ともダイナミックで、初代ライダーにはない特撮技術の進化を感じられます。

ただ、中盤視聴率は低迷し、大きなテコ入れが入ります。
その一つが、過去の仮面ライダーの客演で、スカイライダーは過去のライダー作品と違い、過去ライダーが話中に度々登場し、ストーリーに絡みます。
"いろんな特徴的な仮面ライダーがいて一緒に戦っている"という設定が、ライダー図鑑を本棚に並べていた子どもたちの興味を引いたのか、視聴率が向上し、当初の予定から延長した54話で幕を閉じました。

テコ入れの前後で好みの分かれる作品ですが、個人的には、洋の好青年で熱血漢な面が出てきた後半のほうが好みです。
元々長身でイケメンな村上弘明のキャラクターが良く出ていて、次回予告の「次週はこれだ!」というセリフもかっこいい。
個々のストーリーもワンパターンではなく、見ごたえが出てきます。
視聴していると、"ストロンガーまで"と"スカイライダー以降"で、明確に一つの時代の区切りを感じることができると思います。