うにたべたい

超新星フラッシュマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

超新星フラッシュマン(1986年製作のドラマ)
4.2
輝く明日へ爆発パワー!超新星フラッシュマン!!
全宇宙を巡って生命体のいる星を探し出し、その星の生き物を捕らえて生命実験を繰り返すという残虐非道な改造実験帝国メス。
宇宙の辺境惑星である地球からも赤ん坊が攫われたが、その中でわずか5人の子どもたちがフラッシュ星人に救われ、フラッシュ星系の5つの星でそれぞれ育てられた。
それから20年後、成長した5人の子どもたちは改造実験帝国メスが再び地球を狙っていると知る。
フラッシュ星の育て親の静止を振り切り、生まれ故郷の星・地球に降り立った5人は、両親と無理やり引き裂かれた怒りを胸に、フラッシュ星の技術でフラッシュマンに変身、地球を守るためメスと戦います。

戦隊ヒーロー10作目となるフラッシュマンは、全員が宇宙で育った若者たちです。
地球の文化も知らず、おしゃれも青春も花の名前さえも知らない5人が、地球という美しい惑星にたどり着く。
そこでメスと戦いながら自分たちの両親を探し続けるという内容で、当時、社会的に関心を集めた中国残留孤児問題が反映されています。

バイオマン、チェンジマンでは敵サイドのストーリーにスポットがあたることが多かったのですが、本作ではヒーロー側に焦点をあてることが意識付けられています。
そのため、メスの勢力は比較的小規模となっていますが、中盤では幹部たちの秘密や後に第三勢力となるエイリアンハンター、終盤にはメスの大帝ラー・デウス、そして遺伝子改造実験を繰り返す大博士リー・ケフレンの正体が判明するなど、敵内部のドラマも結構濃厚に描かれているように思いました。
そのためもあってなのか、フラッシュマンの両親についてはほとんど進展せず、本作はバッドエンドで終わります。
前半はいつもの戦隊ヒーローで一話完結の展開が続くのですが、終盤にかけて映像が褐色となる、焦りや悲しみを演出するシーンが多くなります。
中盤で登場したレー・バラキが、フラッシュマンの重大な秘密を伝えられないまま息を引き取ります。
それが伝わっていれば終わり方が変わっていたのだろうか、待ち受ける悲劇をただ迎えるしかなかったのか、最後まで見るとフラッシュマンのその後が知りたい気持ちになります。

フラッシュマンはフラッシュ星の技術力で作られた巨大ロボ・フラッシュキングを操って戦いますが、途中でバラバラに破壊されてしまいます。
そのピンチに感応し、過去、メスと戦いを繰り広げていたレー・バラキが復活、巨大トレーラー・フラッシュタイタンから変形するロボット・タイタンボーイを託されます。
つまり、フラッシュマンは、戦隊ヒーローとして初の2号ロボットが登場する戦隊ヒーローなんですね。
制作コストが大きく跳ね上がりましたが売上が上回り、以降は追加ロボットが伝統になります。
3体の機体が合体するフラッシュキングに、追加ロボのタイタンボーイ、そして更にタイタンボーイがフラッシュタイタンのコンテナ部分と合体する強化ロボ・グレートタイタンと、正直、おもちゃを意識した展開とも思うのですが、2号ロボの登場はやはり盛り上がります。
特に超巨大で、タイタンノバで全てを粉砕するグレートタイタンの迫力、頼もしさがすごいです(ほとんど動かないですが)。

ちなみに、V-K☆カンパニーという山口美由紀の少女漫画がありまして、その中に、坂浦という教師が出てくるんです。
その容姿はフラッシュマンに出てくるエイリアンハンター・サー・カウラーにそっくりで、ファーストネームの譲治も、サー・カウラー役の中田譲治からではないかと思われます。
戦隊ヒーローはダイナマンのメギド王子あたりから女性人気も強かったので、思わず出してしまったのだろうなと、当時の人気が感じられます。