このレビューはネタバレを含みます
良いものを観ました。
尾野真知子さんの耐える表情や哀しい表情のバリエーションの豊富さがとにかくすごい。
ストーリー構成もとてもしっかりしていて、救いのない中で必死に生きようとした女性が描かれていました。
安田顕さんはカメレオン俳優すぎます。
最後の表情と金魚が悲しい。
たしかに恐ろしい人なんですけど、彼の生い立ちを語るシーンを観ていると彼も彼なりの絶望を味わったのではないかと。
そして、絶望の元凶とも言える母親は、名前を呼んだこと、自分から死を選んだことが母親なりの償いなのでしょうか。
全ての繋がりを絶って「棄民」となり、お金もあって整形もして高跳びもできたはずなのに、わざわざ自分が育った場所でカフェを開くということは、やはり全てを捨てきれなかったのではないでしょうか。
とにかく見応えと余韻がすごい作品でした。